マイホーム取得は多くの人にとって夢であり、大切な家族との絆を育む憩いの場を提供してくれます。
多額の資金を必要とするため住宅ローンを利用することが多くなりますが、ローンには金利がかかりますから、金利情勢も考慮しなければなりません。
また取得する住宅も戸建てかマンションかで大いに悩むことになるでしょう。
本章では住宅ローンの金利に関する基本的な知識を押さえつつ、戸建てとマンションどちらを購入するのが良いか、双方のメリットやデメリットを比較していきます。

住宅ローン金利考え方

住宅ローン金利考え方

住宅ローンは大きく変動金利と固定金利の二つのタイプがあります。
どちらが有利かは金利の変動予想によって変わり、基本的にはこれから金利が上がる予想であれば固定金利、下がる予想であれば変動金利が有利とされています。
固定金利にすれば、将来市中金利が上がってもローンの金利が固定されるので負担が増えません。
変動金利にすれば、将来市中金利が下がった場合はローンの金利も下がり返済負担が下がります。
近年は変動金利を選ぶ人の方が多いとされてますが、それは日本国内で長年低金利が続いていたためで、金利が今以上に下がる可能性はあっても上がる可能性はしばらくないと考えられていたからです。
この点、2024年に入って日銀がマイナス金利を解除し、今後は市中金利が上がる可能性も出てきました。
住宅ローン自体は近々に利上げされることはなさそうですが、今年中、あるいは来年以降に上がってくる可能性は十分あります。
上がる予想を取る場合、これからは固定金利の方が有利と踏むことになるでしょう。
住宅ローンには、一定期間金利が固定され、その後変動金利に移行するものや、変動と固定の両建てで組むローンなどもあります。
金融機関によって商品のラインナップが異なるので、利用の際にはローン商品の性質をよく理解して検討する必要があります。
では次の項から、取得するマイホームについて戸建てとマンションどちらが良いかという論点に移ります。

戸建て住宅のメリット

戸建て住宅のメリット

まず戸建てのメリット面をまとめてみましょう。

・中古なら割安に買える
・新築は間取りの設計が自由で、中古でも自由度の高いリフォームが可能
・家族が増えた時期などに増改築がしやすい
・修繕積立金が要らない
・管理組合に縛られない
・駐車場代が基本かからない
・騒音トラブルが少ない
・ペットを飼える
・庭が持てる

ざっと挙げるとこのようなところでしょうか。
集合住宅ではないので自由度が高いのが戸建ての特徴です。
管理組合に強制参加させられることもなく、ペットも自由に飼えます。
集合住宅では生活音などのトラブルが多いですが、戸建てならこうしたストレスを避けられます。

戸建てのデメリット

戸建てのデメリット

次に戸建てのデメリットを見てみます。

・売却や利活用が難しい
・駅から遠い
・土地所有者としての法的責任が生じる
・修繕や管理費用などについては全て自己責任
・土地を用意する必要がある

戸建ては敷地も用意しなければならず、土地は基本的にかなり高額です。
また管理組合がないので、維持管理にかかる費用の準備や手間も全て自己責任です。
需要と供給の関係から基本的にマンションよりも売却しにくく、賃貸需要もマンションよりは少ないので運用しにくい性質があります。
また移動面で不利なことが多く、通勤などで多少面倒がでる可能性があります。
不動産所有者としての責任も生じますので、庭木の枝が隣地に越境したような場合は適切な管理が求められます。

マンションのメリット

マンションのメリット

では分譲マンションのメリットの方を見てみましょう。

・セキュリティ機能がある
・庭木の手入れなどが不要
・移動がしやすい
・共用施設の利便性がある
・維持管理は基本お任せできる
・光熱費のロスが少ない
・売却や運用がしやすい

マンションは一般的に戸建てよりも防犯性があるとされていて、エレベータなどの共用施設を便利に使えるという利便性もあります。
移動に便利な立地の物件が多く、通勤や買い物がしやすいため、車が無くても生活できる可能性があります。
維持管理は基本的に管理組合にお任せでき、庭木などの手入れに手間を取られることもありません。
流通が良いので売却や賃貸などの運用もしやすい特徴があります。

マンションのデメリット

マンションのデメリット

マンションのデメリット面をみると以下のようになります。

・組合は強制参加
・騒音などのトラブルが起きやすい
・ペットを飼えない
・災害時の不安

マンションの所有者は管理組合に強制参加となるので、嫌でも住人同士の付き合いが生じます。
集合住宅ですから騒音などのトラブルも起きやすい環境です。
災害時には停電でエレベータが止まり、トイレの問題や水の確保に苦労したという話もよく聞きます。
規約によりますが、多くのマンションではペット禁止など、自由性の面では戸建てに劣ります。

どちらが良いかは人それぞれ

どちらが良いかは人それぞれ

戸建て、マンションはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが良いかはその人の家族構成や年齢、仕事の都合などで変わってきます。
一つ言えるとすれば、近い将来引っ越しをする予定がある人はマンションの方が売却がしやすいので、転勤などの際にも比較的スムーズに対応できると思われます。
リタイア世代で引っ越しの予定が全くなければ戸建ての方がなにかと落ちくかもしれません。
人それぞれの事情があるでしょうから、どちらが自分にとって都合が良いか考えてみてください。

まとめ

この回では住宅ローンの金利について基本を押さえるとともに、購入するなら一軒家とマンションどちらが良いのか、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。
金利情勢はどう動くか正確な予想が難しいですが、今後上昇するか下降するか予想したうえで、変動、固定どちらが有利か考えることになります。
戸建てとマンションどちらが良いかの問題は、双方それぞれメリット・デメリットがありますから、個々人の取り巻く環境を考慮して都合の良い方を選択することになります。
大きな買い物ですから、気に入る物件を確保できるように余裕を持った物件探しに努めてください。