企業経営者はいついかなる時も冷静に的確な判断を下す能力と、そのための余裕を持っておく必要があります。
経営危機ともなれば社長と言えど冷静ではいられないものですが、それでも的確な行動が取れなければ軌道修正がおぼつきません。
この回では経営危機を乗り越えるために経営者が知っておくべき資金調達法について詳しく見ていきますので、ぜひ参考になさってください。

資金繰りの管理は経営者の最優先事項

資金繰りの管理は経営者の最優先事項

まず基本的なことですが、経営危機に陥る前にこれを回避することが経営者としての最優先事項です。
通常運転の時分から、会社の資金使途を明確にして短期、長期の運用を心がけていれば基本的に安全は保たれます。
しかしながら外部の諸事情なども絡んで理想通りにいかなくなることもあるのは事実です。
仮に経営危機になったとしても、闇金の利用や税金の滞納、社員の給与の未払いなどは絶対に避けなければなりません。
次の項では経営危機に対する対処法について順を追ってみていきます。

資金繰りが悪化してしまったら

資金繰りが悪化してしまったら

資金繰りが悪化してしまった場合、適性のある資金調達手段を考える必要がでてきます。
ケースにもよりますが、経営危機ともなった段階では迅速性が求められることがほとんどでしょう。
その前提でいくと、実行に時間がかかる手段は選択肢から外れますし、会社の経営悪化時に利用できない手段も除かれることになります。
株式の発行は経営危機の会社の株を欲しがる人はいませんから実施は難しいでしょう。
ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家なども同様に難しいと思われます。
助成金や補助金は時間がかかる上に後払いですから、経営危機のケースでの利用はまず不可能です。
クラウドファンディングもかなり時間がかかるので難しいことが多いと思われます。
ただしクラウドファンディングの場合はその会社の名前が知られていてかなりの老舗であるとか、特徴のある商品を提供しているような場合は適用があるケースも考えられます。
「あの会社を救いたい」「この商品の作り手が居なくなったら困る」という思いが多くの消費者にあれば救いの手を差し伸べてくれるかもしれません。
もし救いの手を得られる希望があるならば、後は時間との戦いということになります。

経営危機を乗り切る資金調達手段

経営危機を乗り切る資金調達手段

では経営危機を乗り切る資金調達手段を個別に見ていきます。

①メインバンクからの借り入れ

経営危機の程度にもよりますが、立て直しが可能と判断してもらえれば銀行からの融資を受けることは可能です。
銀行は返済の利益が得られればいいので、その可能性がある場合は貸し付けを受けられます。

②政府の緊急支援

自体の性質によっては政府が支援プランを提供してくれることがあります。
コロナの時もそうでしたが、まさに今アメリカのトランプ政権が非情な関税を敷いて日本企業が打撃を被る事態となっています。
これを受けて政府は特別に融通の利く融資プランを創設する運びとなっているので、こうした支援策を活用するのがお勧めです。
今のところトランプ関税対応を目的にした支援策は日本政策金融公庫などの機関を通して実施される見込みです。

③ビジネスローン

通常の銀行融資が望めない、政府の支援策を使える特別な事情もない場合は民間のノンバンクが提供するビジネスローンを検討することもできます。
銀行よりは大分融通が利くので一過性の資金難であれば対応可能なこともあります。
ただし金利がかなり高いので返済にかかる負担は大きくなります。
事業計画に支障が出る可能性があるので、利用に際しては十分なプランニングが必要です。

④事業売却

不採算部門の事業は売却することもできます。
上手くいけば足かせとなっている事業を切り離せる上にまとまった資金も入ってきます。
ただし事業譲渡は高度な知識とノウハウが必要で時間も相当かかります。
経営危機の状況では時間が許すかどうかが問題になるでしょう。

⑤資産売却

不動産や動産の余剰資産があるならば売却して事業資金にできます。
不動産はかなりまとまった資金源になるので余剰資産があるならば真っ先に現金化を検討しましょう。
もし事業用の不動産であれば売却してしまうと事業を継続できなくなるので、その場合はリースバックによる売却を考えます。
リースバックは買い手に譲渡した後で賃料を払って使用を継続できる仕組みになっています。
動産の場合も同様のことが言え、例えば事業用の工場機械などは他人の手に渡ってしまうと生産を続けられなくなりますが、リースバックが可能であれば生産を続けることができます。
ただしリースバックは対応してくれる投資家を見つけないといけないので簡単にはいきません。
利益率を考えて十分な儲けを生む事案にしか投資家は資金を投下しないので、そうした相手を見つけるのは実際のところ骨が折れるというのが正直なところです。

⑥ファクタリング

これまで見てきた各種の資金調達法の諸々のデメリットやリスクを踏まえて、最終的にお勧めできるのがファクタリングによる資金調達です。
ファクタリングは掛け取引を行う事業者だけが使えるもので、商品やサービスを売る側の売掛金を有する企業が利用できます。
売掛金は売掛債権という形で保有され、そのままでは決済資金として利用することはできません。
しかし将来の期日には資金化できる資産ですから、金銭的価値は有しています。
これを早期に現金化するのがファクタリングで、一定の手数料を払ってファクタリング業者に売却することができます。
ファクタリングは貸金取引とは根本的に異なり、法律上は債権の譲渡取引です。
在庫の売却や不用品のリサイクルとほぼ同じで、一般消費者が家電をリサイクルショップに売って現金にするイメージで差し支えありません。
そのため融資取引のように保証人や担保を求められるようなことがなく、利息を乗せて返済を求められることもありません。
手持ちの不用品を現金化するわけですから、自力での資金調達が可能であることはお分かりいただけると思います。
ファクタリングには多くのメリットがあり、借り入れや融資におけるデメリットやリスクを気にすることなく資金調達が叶うため、近年は銀行からの借り入れではなくファクタリングを資金調達の第一選択肢としている経営者の方も多くなってきました。
経営危機における事情を考えると資金調達には迅速性が求められるところ、ファクタリンは最短当日中に資金化が可能ですから、この点でも適性を有します。
売掛金の現金化に際しては取引先に知られることで信用面で影響が出ないか心配する方もいらっしゃるかもしれません。
ファクタリングは秘密性にも優れ、取引先に知られずに債権譲渡ができる仕組みがあります。
この秘密性と速やかに現金化できる迅速性、必要な時に確実に現金化できる確実性を備えた資金調達法として多くの経営者に認められていますから、資金難に陥った際にぜひ検討したいものです。

まとめ

本章では経営危機を乗り越えるために経営者が知っておくべき資金調達法について見てきました。
そもそも経営危機に陥らないように資金繰りを講ずる必要がありますが、現実問題として万事うまく事が運ぶわけではありません。
資金繰りに窮する事態となった時には、その状況に見合った資金調達法を実施して事態を打開することが求められます。
弊社では経営危機に有効なファクタリングを主力サービスとして提供しておりますので、資金面でお困りの際にぜひお気軽にご相談頂ければと思います。