社長業はともすると何不自由なく悠々自適に優雅な暮らしをしていると思われる節がどこかあります。
中にはそういう人もいるのかもしれませんが、大きな会社も小さな会社も経営者は大きな責任を負っていますから、決して楽な商売ではありません。
社長業はタフネスが求められる商売ですから、体調やストレス管理にも人一倍気を付けなければなりません。
この回では経営者が抱えがちなストレスやその解消法について見ていきます。

経営者が抱えるストレスとは?

経営者が抱えるストレスとは?

経営者は一般のビジネスパーソンと違って多方面からのストレスを受け、その強度も強くなります。
ストレスの性質として大きく三つに分けてみましょう。

①社長としての責任からくるストレス

会社の代表を張る以上は絶対に倒産や廃業をするわけにはいきません。
従業員の生活もかかっていますから、その責任は非常に重いものになります。
一つの判断を誤るだけでも企業運営に大きな支障をきたすことがあるので、判断一つも間違えられないプレッシャーは相当なものです。

②組織管理からくるストレス

自社社員の管理をうまくできないと企業としての組織力を発揮できず、事業運営に支障をきたします。
部下の管理、従業員管理は経営者として地味にストレスがかかります。
昨今は雇用労働法制がかなり厳しくなっているので、人を雇う責任が非常に重くなっています。

③ハラスメントやリーガルリスクに関するストレス

ハラスメントや個人情報の扱いなどで問題となるケースを最近はよく見聞きします。
経営者自身は身の持ちようをしっかりしていたとしても、あずかり知らぬところで自社社員がなにかやらかしてしまったり、取引先の社員や幹部の行いが自社に悪い影響を及ぼすといった事例もあります。
一つでも欠点があると袋叩き似合うような文化をキャンセルカルチャーと言うらしいですが、最近の日本ではそのような現象が段々と強まってきている印象です。
フ〇テレビや吉〇興業などの騒動もしかり、企業は目に見える対象としてやり玉に挙げられやすいので経営者は気を揉みます。

ストレスを蓄積しないコツ

ストレスを蓄積しないコツ

ここでは経営者がストレスをためないコツについて見ていきます。

①失敗も経験として捉える

判断ミスで多少のダメージを負ったとしても、「これも経験だ」と思って強く悲観せずに流す姿勢も必要です。
小さな失敗にいちいち気を取られていたらきりがありませんし、失敗しない人などいないのですから、次から同じ失敗をしないように気を付ければよいだけです。
経営者もミスを重ねて成長するものだと割り切りましょう。

②経営者仲間を作る

同じ目線で経営者同士の悩みを言い合える仲間がいると大変心強いですし、話が通じる相手と接するだけでもストレスは緩和されます。
経営者同士のコミュニティは色々あるので身近で探してみましょう。
ただし中には怪しいものもあるので、地元の商工会など信頼できる組織や団体が管理しているコミュニティの方が安心です。
異業種交流会などは広域の経営者と知り合えるのでお勧めできますが、やはり素性はしっかりチェックして安全性を確かめてから参加してください。

③自分の時間を確保する

忙しいのは仕方がないとして、それでも自分だけの自由な時間を確保してリフレッシュできる時間を持ちましょう。
特に睡眠の確保は大切です。
昔の栄養ドリンクのCMではありませんが人間は24時間ぶっ通しで戦うことはできません。
必要な睡眠を確保することで自身のポテンシャルを最大限発揮できるよう、自己管理に努めてください。

あなたのストレス解消法は?

あなたのストレス解消法は?

弊社では日ごろから多くの経営者の方とお話しする機会があり、経営面だけでなく私生活についても話題に上がります。
その中で、経営者の方がどのようにしてストレスを解消しているのか伺ってみたので参考にしてください。

①運動

精神的なストレスそのものよりも、運動不足を気にしてスポーツなどで汗を流す習慣を持つ人が比較的多い印象です。
体を動かすことによって精神的なストレスも一緒に解消されるようで、「汗をかくとスッキリするんだよ」という方が多いです。
同じ汗をかくのでもサウナとは違って、やはり体を動かすというのがポイントだと言います。

②家族との時間を作る

意識的に家族の時間を大切にしているという人も多いです。
利害関係のない身内とたわいのない話をするだけで精神的に安心できるのかもしれませんね。

③遠出をする

経営者の方は見聞を広げることを重視する人が多いように思います。
そのためか旅行をするのが趣味と言う人が結構いらっしゃり、時間が許せば行ったことのない地域に旅行に出かけるという話をよく聞きます。
なかなかまとまった時間が取れない人は車でちょっと遠出して美味しいものを食べるだけでもストレス解消になるよという人もいます。

④格闘技

意外にも格闘技を好まれる経営者の方が数人いて、ボクシングや空手、柔術などを習っています。
ある方は単に体を動かすよりも、せっかくなら護身術を身に着けたいからと申されていました。

⑤収集

骨董や趣味のプラモデルなど、自身で好きなものを収集するのが趣味と言う人もいます。
その業界のコミュニティに参加して同じ趣味の人と交流することも楽しみですし、そこでお気に入りの一品に出会えれば気分も上がります。

⑥推し活

好きな芸能人やアイドル、スポーツ選手などとの交流を趣味にする人もいます。
最近はローカル活動を主にした地元タレントや、売り出し直後の駆け出しアイドルなども多数生まれています。
まだ皆に知られていない素材だからこそ、自分が応援してあげたいと思うのでしょうね。

以上、筆者が知り得る経営者の方のストレス解消法を見てきました。
経営者も普通の人間ですから多くの方と同じような趣味をそれぞれ持っています
特別変わったことをする必要はないので、皆さんも自身が好きなこと、熱中できることでストレス解消を図ってください。

まとめ

本章では経営者のためのストレス管理について見てきました。
普段何かと忙しい経営者は自分の時間を取りづらいかもしれませんが、体の健康のためにも心の健康のためにも、自己管理の一環として自由時間を確保することは大切です。
経営は一過性のものではなくマラソンのように長い期間走り続けるものですから、家族の理解を得ることも立派な仕事です。
自分や家族を大事にしながら会社の切り盛りを続けていけるようにしたいものです。