ファクタリングを利用してみたいけれど、経験がないので手順を詳しく知りたいという要望は比較的多く寄せられます。
弊社では業種を問わず多くの事業者の方から問い合わせやご相談をお受けしており、ファクタリングがますます注目度を上げているのだなと実感しております。
本章ではファクタリングを安心して利用して頂けるよう、手続の流れや注意点などについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考になさってください。
■ファクタリング取引の一連の流れ
まずはファクタリング利用の際の流れについて全体像を確認します。
①相談先の選定
相談する相手となるファクタリング業者探しにおいては、安全性や利便性を考慮して選定する必要があります。
悪質な業者に相談してしまうと面倒なことになるので、実績が豊富で信用のおけるファクタリング業者を選びましょう。
公式サイトを隅々までチェックして運営母体の企業の所在地や代表者をチェックするのはもちろん、そのサイト自体の全体の作りが雑でないかどうかもチェックしてください。
質の良くない業者、悪質性のある業者の場合、真っ当な事業者と比べると窓口となるWEBサイトの作りが雑であることが多く、直感的に不安を覚えることが多いです。
WEBサイトの作りが雑でなければ絶対安全というわけではありませんが、優良業者選びの一つのフィルターになるのでぜひ意識してください。
また手続き上の利便性を考えると、自社のすぐ近くに店舗があれば良いですが、そうでない場合はオンラインで全ての取引を完結できるところでないと実務面で手間や時間を取られます。
対象業者のWEBサイトなどで確認し、対面や紙の資料の提出が不要で全ての手続きをオンライン上で終えられるかチェックしてください。
②事前相談と簡易診断
正式な申し込みをする前に、大抵のファクタリング業者は簡易診断に応じてくれるはずです。
売却を希望する売掛債権を譲渡するとした場合の取引の可否や、譲渡価額などの目安を教えてもらえます。
初めての利用あればこの際に不明な点や疑問点を聞くことができるので、納得いくまで質問してください。
手数料や代金の振り込み方法、時期なども確認しましょう。③三社間取引の場合は売掛先の了承を得る
ファクタリングは売掛先の会社が取引当事者にならない二社間取引と、売掛先にも取引当事者になってもらう三社間取引があり、後者の場合は売掛先の承諾を事前に取り付ける必要があります。
三社間取引を希望する場合はファクタリング契約の前に事前に売掛先の企業に掛け合って合意を取っておきます。
④申し込み
事前相談で希望する額に対して納得できそうな買取価格が提示されたら、審査のための正式な申し込みを行います。⑤必要書類の提出
売掛先との契約書や取引の成因資料など指示される資料を提出します。
オンライン取引であれば資料は全てデータで提出するので、紙の資料を郵送で送るような手間は生じません。
⑥審査
提出された資料を基に審査が行われます。
ファクタリングの審査は主に売掛先の信用チェックであり、債権を譲渡する会社の信用はあまり問題にならないので、赤字や税金の滞納があっても問題ありません。
⑦契約
審査に問題なければ売掛債権の正式な買取価格が提示されます。
これに納得出来たら債権の売買契約を結びます。
オンライン取引であれば契約書の署名などもWEB上でできるので、書面のやり取りをする必要はありません。
⑧債権譲渡登記
二社間取引で進める場合、ケースによっては債権譲渡登記が必要になります。
これは債権の二重譲渡などのリスクを避けるために取られる手段ですが、交渉すれば登記手続きなしで進められることもあります。
⑨買取代金の受領
上記までの手順が済めば、契約で定めた買取代金が指定した口座に振り込まれます。
⑩精算
三社間取引の場合は、売掛金の支払い時期が来ると売掛先からファクタリング業者に直接支払いがなされるので債権を譲渡した会社は特に手続きは不要です。
二社間取引とした場合は売掛金は通常通りに支払いがなされるので、この資金をそのまま全額ファクタリング業者に移送します。
■契約内容でチェックすべき事項
ここでファクタリング契約書の中身についてチェックすべき点を押さえておきます。
①ノンリコース取引となっているか
ノンリコースとは、万が一売掛先が倒産するなどして資金の回収が望めなくなった場合でも、債権譲渡をした会社はその責任を負わず、ファクタリング業者が負担する契約をいいます。
売掛先の倒産等により支払いを受けられなくなった場合でも、例えば債権譲渡企業が売掛金の債権を買い戻す約束することなどはできないルールになっています。
売掛先が倒産するなどした場合に債権譲渡企業に何らかの負担が生じるような約束になっていないかチェックしてください。
②手数料の明示
手数料が不当に高くなっていないか必ず確認します。
現在のところファクタリングの手数料については法律上の規制がないので、各社が自由に決められることになっていますが、相場から大きく離れた数字になっている場合は注意が必要です。
三社間取引では債権価額の2%~9%程度、二社間取引では10%~30%程度が相場です。
実際の手数料額は売買対象債権の信用度や個別取引における諸事情で変動が出ますが、それでも上記相場内に収まるのが普通です。
③担保提供の負担がないこと
ファクタリングは貸金取引と違って担保や保証人の提供は不要です。
もしこれらの提供を要する内容となっている場合は悪質な業者の可能性があるので速やかに取引から離脱してください。
④違約金等
特定の事象が生じた場合や約束を違えた場合の違約金、賠償金の規定が盛り込まれることがあります。
どのようなケースでどのような違約金が発生するのかよく確認し、不明な点は必ず確認するようにしてください。
⑤契約解除に関して
契約違反が生じた場合の取り決めについての条項が盛り込まれることが多いので、こちらも必ず確認します。
契約解除となった場合の効果として売買代金の清算の他、何らかのペナルティが付されることが多いので必ず確認します。
また、定められた契約違反行為をしないように十分注意してください。
■まとめ
本章ではファクタリング利用における手続の流れや注意点などについて詳しく見てきました。
ファクタリングは担保提供や返済手続きが生じる融資と比べると仕組みは比較的シンプルですから、それほど複雑な手続ではありません。
債権を譲渡してその代金を受領するというのがロジックの骨子になりますが、やはりビジネス取引ですから相談先の業者選びや契約書の確認などで注意すべき点はいくつかあります。
基本的には、信頼できる事業者選びさえ間違わなければ、手続き上の細かい点も丁寧に説明してくれるので、初心者であっても安心して債権譲渡による資金調達が可能です。
安心して取引に臨めるよう、業歴が長く取引実績が豊富なところにぜひ相談するようにしてください。
弊社では初心者の方や慣れていない方からのご依頼、ご相談も多くお受けしておりますので、慣れていない方がどのような点に不安を覚えるのかよく理解しております。
経験豊富なスタッフが不安な点、疑問に思われる点を一つ一つ丁寧にお聞きし、納得いくまで説明を差し上げますので、どうぞ安心してご相談くださいませ。