一から会社を立ち上げるのはもちろん、既存の事業者が新しい分野の新規事業を立ち上げることも一般にハードルが高いとされます。
特に一から新規事業を立ち上げるには「ゼロイチ」の要素が強くなり、多大な困難が伴うことが多いです。
それでも世の中には新規事業で成功を収めた事業者が多くいますから、そこから導かれる成功法則を知りたいものです。
この回では新規事業立ち上げを成功に導く方法を見ていきます。

新規事業で成功するのがなぜ難しいのか?

新規事業で成功するのがなぜ難しいのか?

今現状で誰も手を付けていない完全ブルーオーシャンの事業はまず存在しません。
そのような事業があって、確実に利益を上げられるのであれば、すでに既存のプレーヤーが参入しているはずです。
仮に希望がありそうな分野があっても、そこに新たな参入組が参戦していないのであれば、何らかの理由で利益の確保が難しいからでしょう。
例えばライセンスの障壁があって新規参入が難しい分野は後発の参戦は非常に厳しいものになります。
携帯事業では楽天が後発組で参戦しかなりの苦戦を強いられていますが、さすがやり手の社長率いるグループで、今ではしっかりとシェアを獲得しています。
一般の中小の事業者の場合、資金力も機動性も大企業には及ばないため、楽天のように長期戦で構えることは難しいことがほとんどです。
結局、既存のプレーヤーが牛耳る世界に参入する構造は避けられず、後発組の憂いをみることになります。

新規事業で勝つための4つの法則

新規事業で勝つための4つの法則

それでもポイントを押さえた事業展開を進めることで成功に近づくことは可能です。
ここでは新規事業で勝つための4つの法則を挙げて見ていきます。

当初は既存ライバルとの正面衝突を避ける

当初は既存ライバルとの正面衝突を避ける

既存のプレーヤーはその世界ですでにシェアを確保し利益を十分に上げているので資金力でも優位に立っています。
新規参入者とは親子ほどの実力の違いがあるので、似通ったビジネスモデルでの勝負をすること、また既存プレーヤーの顧客を横取りする形での勝負は挑まない方が賢明です。
正面からぶつかれば、経験も知識もノウハウもあり、既存顧客からの信頼もある既存プレーヤーが露骨に締め出しにかかってきます。
例えばキャンペーンなどを実施して、新規参入者を兵糧攻めにして撤退せざるを得ないように仕向けてくるはずです。
それではいつまでたっても勝負できないかというとそうではなく、参入当初は既存プレーヤーとの衝突を避け、別の顧客層の獲得で利益を少しずつ上げていきます。
名前が売れ、一定の顧客層の心を掴み、安定した利益を上げられるようになったら、その時点でライバルに挑めばいい話です。
参入当初から正面衝突を挑むのは愚策ですので、この点を押さえてください。

ターゲットの絞り込み

ターゲットの絞り込み

参入当初は既存プレーヤーとの顧客の奪い合いは避ける必要があるので、未開拓の顧客層にアプローチすることになります。
未開拓の層を捕まえるのはそれなりに大変ですが、ターゲットを絞り込んで遡及することで獲得しやすくなります。
許容範囲となる価格帯の設定、性別の差異による興味の違い、活動時間帯を意識したサービス・商品提供など、できるだけ対象を絞り込んだ遡及をするように工夫します。
それで一定の顧客を獲得できたらまた別の層にアプローチを開始するという具合に、成功している企業はまずはターゲットA層を攻略、次にB層を攻略と進め確実なステップアップを進めています。

最新技術を活用した低コストの徹底

最新技術を活用した低コストの徹底

思い切って対面での販売をやめ、ネット通販専業で挑むなど、成功する企業は既存プレーヤーとは異なる展開を見せています。
こうした思い切った取り組みでコストを徹底して下げれば、既存プレーヤーとは異なる利益確保の仕組みを構築できます。
これには最新の技術やネットインフラなどが不可欠ですので、こちら方面のリテラシーは必須になります。
「今までと同じ方法で稼げれば良い」という既存プレーヤーとは異なる次元で設けの仕組みを構築しましょう。

自社資産の活用

自社資産の活用

全くの未経験から事業を立ち上げるケースでは難しいですが、すでに何らかの事業をしていて、新たに別分野に進出するケースでは、それまでの事業で得た資金なり顧客なりの自社資産を保有しているはずです。
これらの自社資産は新規事業を進めるうえでの足掛かりになる重要な存在です。
保有する資金はダイレクトに活用でき、売掛金なども現金化して事業資金として活用できます。
既存の顧客層には新商品やサービスの存在をアプローチでき、こちらはすでに自社の顧客ですから比較的好意的に受け入れてくれるはずです。
目に見える資産、見えない資産どちらも総動員し新事業の足掛かりとして活用しましょう。

まとめ

この回では新規事業立ち上げの成功法則ということで、4つのポイントを挙げて見てきました。
新規参入する後発組はどうしても劣勢に立たされることになるので、成功に繋げるにはそれなりの覚悟と勝ちにこだわる姿勢が必要になります。
体力がない状態でライバルとぶつかっても勝ち目はないので、当初は正面衝突を避けて賢く立ち回りましょう。
時間を味方につけ、スモールステップで成り上がっていくイメージで挑戦してください。