いま世界は非常に流動的な情勢にあり、経済の予測が困難な状況となっています。
昨年から引き続き世界各地では紛争が続いていますし、アメリカではトランプ2.0が始動します。
お隣の韓国では政情が不安定となっていて、混乱の一途をたどっている感じが否めません。
国民目線では目下のインフレがどうなるのかも気になるところですが、これも世界情勢と密接にかかわっています。
本章では世界経済と絡めながら今後のインフレ動向について考察してみたいと思います。

世界全体を見るとインフレ収束論が若干優勢か

世界全体を見るとインフレ収束論が若干優勢か

経済の専門家やアナリストなどの主要な分析を見ていますと、様々な意見や予測があるものの、大方の意見では今後のインフレは収束に向かう見通しが若干ながら優勢と見られます。
ただし予測の前提となるデータや社会情勢は常に変化しますから、正確な予想は専門家でも不可能です。
さらに今は世界情勢があらゆる面で不透明さを増していますから、専門家の分析もどこか自身なさげの論調になっています。
これは致し方ないと思いますが、次の項からはインフレが正常化する予測が若干優勢となっている理由について見ていきたいと思います。

供給チェーンの回復度合い

供給チェーンの回復度合い

コロナのパンデミックによって打撃を受けた供給チェーンは順調に回復していますので、他の要素を除外すれば経済の正常化が進んでいると評価できます。
これにより物流や生産の効率が向上し、物価の安定が期待されます。
ただし現実には米中の対立関係や、世界全体で見たところのアメリカ中心主義への反動による分断が進行しています。
供給チェーンの維持は我が国はもとより世界各国で心配されているので、国際的な安定した供給チェーンが維持されることを願います。

金融政策の効果

各国の中央銀行がインフレ抑制のために金利の引き上げや量的緩和の縮小を行っています。
これにより経済活動が抑制されて物価上昇の圧力が和らぐことが期待されます。
アメリカのFRBや欧州中央銀行の政策が世界経済に大きな影響を与えます。

エネルギー価格の安定

この領域ではアメリカのトランプ政権の政策がどう関与するのか非常に気になるところですが、再生可能エネルギーの普及が進めばエネルギー価格の安定が期待されます。
石油やガスの価格が安定すれば輸送コストや生産コストが低下し、物価の上昇が抑えられます。

技術革新による生産性向上

技術革新による生産性向上

将来的なスタンスでみると今後も技術革新は間違いなく進むでしょうから、生産性が向上してコストが削減され、物価の安定に寄与することが期待できます。
様々な分野で自動化技術の進展がめざましいのは皆さんもご存じの事と思いますが、企業の生産効率を向上さることで物価安定につながる期待が持てます。
自動化以外の技術革新も進んでいますから、新たな市場やビジネスチャンスが生まれることも期待したいですね。

地政学的リスクの動向

地政学的リスクの動向

この方面は世界の対立がより緊張に進むか融和に進むかで大きく情勢が変わります。
トランプ政権になってロシア・ウクライナ紛争が終結に向かうか否か、イスラエルとイスラム諸国の紛争がどうなるのか、また中国と台湾の緊張関係がどうなるのかなど、地政学的なリスクがどうなるのか注視しなければなりません。
国際関係の緊張や紛争が緩和されれば経済の安定が期待されますし、投資環境が改善されて経済成長が促進される期待が持てます。
逆に緊張が進んだり、新たな紛争が勃発すれば国際的なサプライチェーンが寸断されてインフレのリスクが高まります。

政府の政策効果

政府の政策効果

各国の政府はインフレ対策として様々な政策を実施しています。
財政政策や規制緩和、税制改正などで過度なインフレを抑制する工夫をしており、我が国も当然ながらインフレ抑制の政策を講じています。
全体としては各国が協調的に物価安定に繋がる施策を講じていますから安心材料として考えられるものの、心配なのがアメリカの動向です。
アメリカもインフレ抑制の政策を講じていますが、次期トランプ政権に移行した後は高関税をかけると明言しています。
これにより米国内に流入する輸入品が値上りし、インフレ圧力になるのはと危惧されています。

消費者行動の変化

消費者が節約志向になると、需要が減少して物価の上昇が抑えられます。
またエコ意識の高まりにより資源の有効活用が促進されることでインフレ抑制の効果が生まれます。

まとめ

本章では世界経済と絡めながらインフレ動向について考察してみました。
物価動向は多くの要素が関与しているため単純な予測は難しく、加えて現在の世界情勢は不透明さを増していますから、正確な予想は不可能です。
若干ながらインフレ収束の期待がされているのは一市民として嬉しく思いますが、経済予測は常に不確実性を伴いますから、インフレが確実に収まるかどうかは断言できません。
不安要素があることから、もうしばらくの間は財布のひもが大きく緩むことはないかもしれません。