2024年も折り返しを迎える時期ですね。
下半期に入り、決算にも少しずつ意識が向いてくることと思います。
この回では現状で日本を取り巻く情勢を見ながら、経済動向や会社経営で気を付けるべきことなどを考察していきます。

経済面の不安定要素が拡大

経済面の不安定要素が拡大

日本経済も世界情勢の影響下にあり、不安定要素は拡大し続けています。
これまで世界経済はアメリカ中心に動いていましたが、近年はアメリカの影響力低下が指摘されているところです。
アメリカ中心に動いていたグローバル経済は、中国の台頭によって破られようとしています。
中国とロシアが接近し、アメリカ中心の世界に声高に異を唱えるようになり、対立が先鋭化していますね。
これにより、世界経済が分断されるのではないかという予想も出ています。
経済の分断はどちらの陣営にとっても好ましくないのですが、イデオロギーや基本的価値観が異なる国家間の対立から経済面でも対立が深まっているのは事実です。
これにより、レアアースなどの資材の獲得競争や人材の獲得競争、あるいは企業秘密などの奪い合いがこれまでよりも激しくなることが予想されます。
いわば武器を交えない経済戦争の様相を呈する恐れもあり、一企業、一国民としても不安感が拭えません。

日本政府のスタンスは

日本政府のスタンスは

日本政府としては不安定要素の拡大は当然承知をしているところで、可能な限り経済的安定を確保すべく動いてはいます。
軍事面の安保は当然として、希少資材を自前で確保できるように国内企業の活性化を図るなどの施策を講じています。
経済安保、あるいは食糧安保などについても、西側諸国の一員として安全保障を考えていることでしょう。
企業としては経済安保に意識が向くところで、特に対立姿勢を強める中国に対して資材や人材、情報の奪い合いに対する措置を強化してもらいたいと考えます。

国内では金利上昇の影響も

国内では金利上昇の影響も

経営者により身近な話題としては、国内で徐々に進む金利の上昇の話題もあります。
金利の上昇は企業経営者にとっても気になるテーマで、借り入れにかかる利息の負担が増すことで資金調達がしにくくなることが予想されます。
住宅ローンは別にして、企業は個人よりもはるかに高額の資金を借りますから、返済にかかる利息負担の上昇はかなり響きます。
借り入れのハードルが上がることで資金繰りが難しくなることも予想されますから、多めの現金を確保しておくことで資金ショートに備える姿勢が必要かもしれません。
自社の貸借対照表を確認して、流動負債と流動資産の対比を今一度確認しておくことをお勧めします。
流動負債は1年以内に支払いや返済が必要な負債で、これをすぐに現金化できる流動資産で賄えるようにしておく必要があります。
特に借金の返済資金は間違いなく使える現預金の形で保有しておくことが大切ですので、ぜひ確認しておいてください。
なお、弊社が提供するファクタリングによる資金調達は借り入れと違い利息負担は生じません。
保証人や担保も不要で確実な資金調達が望めるのでぜひご検討頂ければと思います。

消費の期待は持てるか?

消費の期待は持てるか?

では個人消費の拡大について期待は持てそうでしょうか。
これは業界によってかなり違いが出ると思いますが、賃金が上昇するおかげで消費の拡大も一定程度は期待ができます。
ただ今の時点では物価高が尾を引いており、個人消費は思ったより伸びていないように見えます。
売り上げの増加が予想よりも伸びない可能性もありますから、設備投資などに多額の資金を投入してしまうと収支のバランスが崩れる恐れもあります。
ここら辺は予想を丁寧に行うことと、資金投入は慎重に行うことが望まれます。

賃金上昇圧力と企業経営

賃金上昇圧力と企業経営

消費を伸ばすためにも個人の収入を増やしたいところで、この点については企業側も賃金の上昇に寄与したいところです。
賃金はただ上げればよいというものではないので、企業として何のために、何を狙って賃金を上げるのか、しっかりとした戦略を持って臨まなければなりません。
人手不足という観点から、自社に必要な人材を獲得し、これを育てて人的資本として活用していけるよう、長期的な目線で構想を立てる必要があるでしょう。
賃金の上昇分をカバーするためには適正な価格転嫁も考える必要があります。
物価と賃金上昇の好循環が生まれているという見方が大勢ですので、必要な価格転嫁は恐れずに検討してください。

まとめ

この回では世界情勢や経済の動向、会社経営で気を付けるべきことなどについて見てきました。
世界情勢を見ると経済面での不安定要素、不確定要素がどんどん増している印象で、多少不安を覚えるのが正直なところです。
国もできる限りのことはやっていると思いますが、一企業としては与えられた環境下で生き残れるようにしなければなりません。
直近では金利変動から資金繰りのハードルが上がる可能性があるので、まずは自社の資金繰りに不備が出ないよう、必要な対応を考えてみましょう。