企業経営では多くの資金を必要とします。
一般的に、一切借り入れをせずに経営を成り立たせるのは難しいため、多くの企業が銀行から融資を受けていると思います。
融資元は付き合いのあるメインバンクが主となるところ、諸事情でノンバンクの利用を考えることもあるかもしれません。
ただノンバンクは可能な限り利用を避けるべきです。
本章では資金繰りが苦しくてもノンバンクの利用を避けるべき理由についてお伝えしていきます。

資金繰りが厳しいときにノンバンクからの借り入れを避けるべき4つの理由

①信用が大きく低下する

まず、そもそもノンバンクを使わなければならないのはなぜなのか考えてみましょう。
通常、借入先として真っ先に浮かぶのは付き合いのあるメインバンクでしょう。
ただ銀行は安全性を重視する姿勢が強く、貸出先企業の経営状況を厳しめに評価しますから、借りたい時に借りられない、必要金額全てをカバーできないということもあります。
また返済焦げ付きに備えて担保や保証人を求めますから、会社の有形資産や経営者の自宅などを担保に入れているケースは多いです。
担保に提供した抵当物の担保力いっぱいの借り入れをしているとそれ以上の融資は望めませんし、保証人を立てた場合もその人物の信用力以上の借り入れは望めません。
そうした状況下で新たな資金需要が生じた場合、銀行からはそれ以上借りられないのでノンバンクに相談、という流れになるのが一般的です。
しかしその行動は銀行から見ると信用を大きく落とす行為になります。
民間の銀行や日本政策金融公庫、信用保証協会などの公的な支援機関も、ノンバンクを利用する企業に対しては「資金繰りで相当追い詰められているな」という評価を下します。
銀行から借りられなくて追い詰められているから、最後の手段としてノンバンクを利用すると見るわけですね。
そのように追い詰められている会社の信用はどうなるでしょうか?
銀行は「ウチに対する返済が焦げ付くかもしれない」と考えて融資の返済を厳しく催促したり、返済焦げ付き時の差し押さえや換価処分について強めの警告を発してくるかもしれません。
公的な金融機関等も「倒産の危険がある会社に国民の税金は投入できない」として融資を渋る可能性が高くなります。
同じ意味で、例えば補助金を申請するような場面でも審査の際に他のライバルと比べられますから、他の条件が同じようであれば、資金繰りに窮している会社より将来性のある会社に資金を提供したいというこことで、補助金獲得のレースから弾かれてしまう可能性もあります。
ノンバンクを利用する=経営が苦しいということが知られてしまうため、信用を大きく落としてしまうということは覚えておきましょう。

②高金利の負担が大きい

ノンバンクの審査は銀行よりも甘めとされていますが、これは返済焦げ付きのリスクを高金利でカバーするからです。
複数の貸し出し先のうちどれかが焦げ付きを起こしても、他の貸出先から徴収した高金利でもって損失をカバーするという姿勢ですから、おのずと一社あたりの金利負担が大きくなります。
法律で許される上限いっぱいの利息負担を設定するのが普通ですので、銀行融資と比べて金利負担は相当膨らみます。
返済に係る金利負担が原因となって経営不振に落ち込み倒産に至るというケースは依然として多いことに注意が必要です。

③無保証プランでも代表者保証は必要

ノンバンクのメイン商品は無担保、無保証で貸し付けを受けられる信用貸しプランです。
保証なしで融資を受けられるということで喜んでしまいがちですが、これはあくまで第三者保証はなくても良いという意味で、代表者の保証は必ず必要になります。
代表者が連帯保証人とならなければ貸し付けを受けられないということで、高金利の融資の連帯保証人になるわけですから、大きなリスクを伴います。
万が一返済できなくなった時には代表者の個人資産を取り上げられてしまいますから、自己破産をしなければならないことも多いです。
一旦自己破産をするとその事故情報は個人信用情報機関に登録されるため、新たな借り入れなどは一定期間できなくなります。
これが事業を再始動させる時に支障となり、事業資金の調達を難しくさせます。
結果、経営者としての復帰が難しくなるのです。

④複数の借り入れで泥沼にはまる

ノンバンクは基本的に小口の融資しか望めないので、1社では必要金額を満たせないこともあります。
ノンバンクを利用しなければならない状況下では経営者も大分追い詰められていますから、リスクを承知で複数社から借り入れをしてしまうこともあるでしょう。
あるいは当初は1社のみの利用でも、返済が苦しいため別の他社から借り入れてその資金を返済金に充てるということもよく見られるケースです。
しかしこの複数社からの借り入れは非常に危険で、多くの場合近い将来返済不能になります。
理由はやはり高い金利で、一度自転車操業に陥ったら抜け出すことは非常に困難です。
結局、返済不能から倒産→経営者の資産差し押さえ→自己破産という道をたどることになります。

借り入れよりも先にファクタリングを検討するべき

借り入れよりも先にファクタリングを検討するべき

ノンバンクは金利面で損となり、また返済焦げ付きリスクやその延長線上にある自己破産リスクの元となります。
そのような危険を冒してノンバンクを利用するよりも、その前にファクタリングによる資金調達を考えてください。
ファクタリングは借り入れではなく、売掛債権という自社資産を現金化するものです。
借り入れではないので「返済」や「利息」という概念がなく、安定した経営を継続できます。
ファクタリングのメリットを簡単にまとめてみます。

①負債が増えない

返済が必要ないので会計上で負債が増えません。
むしろ売掛債権という未回収金がなくなり安定した経営をしていると映ります。
仮に財務諸表を確認されても負債が増えていませんから信用を落とすこともありません。
銀行での新たな借り入れや公的支援機関の利用、補助金の申請などの際にも不利にならずに済みます。

②保証人も担保も要らない

ファクタリングは法律上は債権の譲渡取引にあたり、融資などの貸金取引とは全く異なります。
返済リスクというものが存在しませんから、保証人や担保は一切不要です。
すでに抵当に出せる資産がない、保証人になれる人がいないという場合も全く問題ありません。

③代表者が道連れにされることもない

保証人が不要ですから代表者保証も当然不要です。
借金の連帯保証人になると返済焦げ付き時に道連れにされる恐れがあり、その後の人生に禍根を残すことになりますが、ファクタリングはそのような心配は一切不要です。

④独力での資金調達ができる

借り入れは結局他人に頼る行為であり、これは株式発行などで資本を募る方法でも同じです。
他人に頼る以上は「お金を貸してください」「株を買ってください」と相手に頭を下げなければならず、立場的に下になります。
ファクタリングは自社資産を売却するだけですので、誰かに頭を下げる必要はなく、独力での資金調達ができます。
原理としては不要な在庫資産を売って現金化するのと同じですから、他者に依存しない資金調達が可能です。

⑤迅速、確実に資金確保できる

ファクタリングは即日~数日以内に資金確保ができますから、資金ショートなどの場面でも非常に有効です。
また借り入れの場合は信用力の問題で必要な金額全てを借りられないということもあります。
ファクタリングは債権価額内であれば確実に資金確保ができます。

まとめ

本章では資金繰りが苦しくてもノンバンクの利用を避けるべき理由について見てきました。
ノンバンクは銀行と比較すると借りやすいのは事実ですが、信用面のリスクや金利負担が大きいこと、またこれに起因した倒産、自己破産リスクがあることからできるだけ利用を控えるのが無難です。
ノンバンクに頼らずとも売掛債権があればファクタリングによる資金調達ができます。
借り入れと違って返済の必要がなく、他にも多くのメリットがありますから、ノンバンクよりも先にぜひファクタリングの利用を検討してください。