国は大阪万博の成功に向けてキャッシュレス決済の導入を強く推進しています。
これは大阪において特に力が入っているということですが、元々キャッシュレス決済は日本全国で広く浸透が進んでいるところです。
街中では多くのお店が対応していますが、キャッシュレスがほとんど進んでいないと言われてきたのが「学校」です。
これが、一部の学校でキャッシュレスが導入されたという例が挙がっていますので、今回は学校におけるキャッシュレスの導入例について見てみましょう。

旧態依然の学校ではお金絡みで苦労している

旧態依然の学校ではお金絡みで苦労している

学校は勉強を教える場でお金やキャッシュレスの話題とは関係ないのでは?と思う人もいるかもしれません。
しかしよく考えれば、昔から給食費や修学旅行などで保護者からお金を集める機会は結構あります。
その対応は教職員が行いますから、ただでさえ忙しいブラック職場と言われているのに本業以外の集金業務で苦労する姿が伺えます。
未払いの親には督促をする、集めたお金を銀行に持っていくなどの手間を考えると、現金を媒体とした仕組みは地味にストレス源となるのは想像がつきます。
そんな旧態依然と言われている中でも、ある学校でキャッシュレス導入に踏み切ったところがあったのです。

川口市でのキャッシュレス導入事例

川口市でのキャッシュレス導入事例

埼玉県の川口市立前川小学校では、やはり以前から現金の集金作業について手間や資金管理のリスクなどが問題になっていました。
そこで教職員の負担軽減を目的に、エンペイというキャッシュレス決済の導入に踏み切ることになったのです。
このシステムはクレジットカードだけでなく電子マネーやコンビニ払いなど多様な決済に対応しているため、クレジットカードを持っていない保護者でも別の手段を選べるという利点があります。
キャッシュレスでも特定の決済方法に縛られてしまうと、それに対応できない保護者は枠から外れてしまいます。
多様な決済手段を利用できるエンペイの導入によって、集金の手間や督促の手間、お金を金融機関まで運ぶ手間やリスクなどが一気に解決されたそうです。
保護者からの評判も上々なようで、支払いが楽になったという声が多数あり、学校側、保護者側双方にとって大きなメリットがありました。

兵庫県立芦屋高校の事例

兵庫県立芦屋高校の事例

また兵庫県立芦屋高校では文化祭にキャッシュレス決済を導入して、現金を扱うリスクや手間をなくす取り組みがされています。
文化祭では元々現金の授受が無いように事前に金券を購入するという形だったそうですが、それでも金券購入時には現金が動きますから、やはり管理の手間やリスクが生じます。
同校ではキャッシュレス決済の導入にあわせて、安全にシステムを利用するための教育機会として金銭教育を行っています。
こちらでは屋台での決済にAUペイを導入したようで、簡単に決済ができて便利だと評判は上々のようです。
キャッシュレス決済は間違いなく今後も普及していきますから、安全な使い方を学ぶことはとても大事なことですね。

日本大学三島高等学校の事例

日本大学三島高等学校の事例

同じく文化祭でキャッシュレス決済を導入したのが静岡県の日本大学三島高等学校です。
こちらもAUペイを用いたキャッシュレス決済で、元々はコロナの影響下で人との接触をできるだけ避けたいという発想からだったようです。
これが実際やってみると現金の授受よりも安全に、スピーディな決済処理ができることから、キャッシュレス決済の強みを実感することとなりました。

デジタルインフラは整備だけでなく教育も必要

デジタルインフラは整備だけでなく教育も必要

キャッシュレス決済などのデジタルインフラは、若い人であれば誰でも自然に身に付くものではありません。
自らクレカなどをもって使い方を覚えていくということももちろんできますが、学生さんなどの若年世代、あるいはデジタルが苦手なシニア世代なども安全に使い方を学べる環境をぜひ整えてほしいと思います。
若い世代の方面では、家庭で一から教えるには限界がありますから、学校などの教育機関で体系的に学べる環境を整えることは有効です。
こちら方面では、実は2022年から小学校、中学校、高校で金融教育が義務化されていますから、ぜひこれに連動させてキャッシュレス決済の安全な使い方などを学習に取り入れてほしいと思います。

まとめ

この回では学校でもキャッシュレス化が始まっているというニュースをお届けしました。
元々学校はアナログな世界でキャッシュレス化が進みにくいとされてきましたが、一部では現場レベルでキャッシュレス決済が実装されていますし、金銭に関する教育、学習という側面で導入されるケースも出てきています。
まだ現金派だという人も、こうしたニュースに触れて少しでも興味を持っていただけたら幸いです。