古くから根付いた商習慣を変えてしまうと色々とひずみが生じる可能性があるので無理に変える必要はありませんが、支障がなければ変えるべきは変えていく姿勢が必要です。
資金調達分野においては旧来の非効率的な手法を改め、オンライン取引により行うことが多くなっています。
本章では資金調達のオンライン化がどのように進んでいるのか、メリットやデメリットと共に解説していきます。

テック技術の発展で真のオンライン取引が可能に

テック技術の発展で真のオンライン取引可能に

一昔前までの融資と言えば、顧客の利便性を考慮するノンバンクなどでも必ず対面の取引が実施されていました。
取引事故を防ぐ必要性や、相手方の信用を確認するために相手の顔を見て話すという手順を必ず踏んでいたのです。
先方の金融機関に出向くのが難しい場合は金融機関側の担当者が出向いて面談をしてくれることもありましたが、いずれにしても対面では手間と時間を取られます。
また対面を要することから、実質的に近場の事業者同士でないと取引が実現しないという地理的制約からは逃れられないでいたのです。
これがWEBの発達と共にオンラインでの申し込みが可能になりましたが、可能なのは申し込みまでで、その後の対面面談など従来通りの審査を要すことがほとんどでした。
これでは真のオンライン取引とは言えませんよね。
それが近年になってようやく真のオンライン取引が可能になり、相談、申し込みから審査、面談、融資実行まで全ての手続きがオンラインで完結できるようになっています。
ただし真のオンライン取引が可能なのは顧客の利便性を重視する金融機関やサービス業者だけで、必ず可能というわけではありません。
金融機関でも顧客の利便性を追求しないところはまったくオンライン対応をしないところもありますし、中途半端なオンライン対応に止まるところもあります。
弊社が提供するファクタリングのように迅速性を求める必要性があるところは多くが真のオンライン対応に舵を切っていると思いますが、それも全ての業者でそうというわけではありません。
ですから資金調達を考える側としては、利便性の高いオンライン取引が可能かどうかを確かめた上で相談するという姿勢が必要です。
弊社ではただオンライン取引が可能ということに加えて、より短時間で取引を完結できるように工夫し、且つセキュリティを確保するために弁護士監修の「クラウドサイン」を用いた電子契約を実装しています。
資金調達をお考えの際にはそうした付加価値のサービスにも目を配って検討して頂ければと思います。

コロナ下で利便性が再認識される

コロナ下で利便性が再認識される

オンライン取引の利便性や技術的な重要性が強く認識されたのがコロナ禍で外出規制が厳しい情勢下でした。
とにかく人との接触を避けなければならない環境下で、少しでも日常に近い行動を取れる工夫が求められたわけですが、資金調達の分野では環境さえ整えれば完全オンライン取引が可能です。
そのため非常に重宝されたのですが、オンライン取引のサービスは何もコロナ禍でなくとも、単純に「便利」ですよね。
「コロナ関係なく便利に使えるじゃん!」ということで、コロナが終わった後も弊社では取引数が堅調に伸びています。
オンライン取引の大きなメリットの一つに地域性に縛られない強みがあり、より使いやすく有利な取り引きができる業者を全国から探せる利点があります。
コロナ下で再認識されたオンライン取引の良さを多くの人が実感したため、今後は社会情勢とは関係なく主流の取引方法として用いられていくことになるでしょう。

オンラインでスピーディな取り引きができる仕組み

オンラインでスピーディな取り引きができる仕組み

少し実務的な話になりますが、現在のオンライン取引ではよりスピーディに進められるように工夫がなされています。
以下のような機能を組み合わせて使うことで、より迅速性のある取引を可能にしています。

①自動スコアリング機能

取引を望む顧客の信用力などを自動で数値化しスコアリングする機能です。
融資取引となる場合は返済力なども数値化して評価し、それにより融資の可否や融資可能な限度額、利率などが自動で評定されます。
担保の有無など単純な数値化が難しい項目も今では数値化が可能になっていて、このスコアリングは申し込んだ側がすぐに目で確認できるため他社との比較がしやすいなどのメリットがあります。

②バランスシートレンディング

従来は財務諸表をチェックするなどして融資対象の信用を見極めていたものが、現在はネットバンクの資金の動きや会計ソフトの入力データなどから信用をチェックすることができ、データを送るだけで取引の可否や取引可能金額、利率などの評定を受けられます。
紙の資料を用意して郵送するなどの手間が要らないので、経営者が本業以外に手間を取られずに済みます。

③トランザクションレンディング

こちらも紙の資料を用意する手間を省く機能で、ネットショップなどECサイトの運営者が恩恵を受けやすい機能です。
特定のECサイトを利用することで、売り上げなどのデータがそのまま融資取引などの審査材料となり、手間なく資金調達を進めることができます。

オンライン資金調達のメリット

オンライン資金調達のメリット

ここではオンラインによる資金調達のメリットをまとめて見てみましょう。

①会社のPCで全ての取引が完結する

前述のように各事業者がどの程度のオンライン取引を可能としているのか個別に確認が必要ですが、完全オンライン取引が可能であれば、利用者は会社のPCに座った状態で全ての取引が完結します。
資料の用意や対面などに手間と時間を取られず、地方の会社でもより有利な取り引きが可能な相手と契約を結べます。

②提出書類が少ない

作成に手間と時間を取られる事業計画書などを作る必要がなく、簡単に資金調達を済ませられる利点は経営者にとって恩恵が強いものです。
オンライン取引ではデータを送信するだけで取引ができるので、本業の時間を大きく削られることはありません。

③ファクタリングでは手数料が抑えられる

ファクタリングによる資金調達をオンラインで行う場合、手数料が上がりにくいメリットがあります。
オンライン取引を実装するファクタリング会社は、余計な人員を用いずに効率的に業務を行えるので、その分手数料の負担を下げたサービス提供が可能です。

デメリット

デメリット

次にデメリット面も見てみます。

①融資取引では金利が高め

ファクタリングではなく融資取引の方面では、オンライン取引となると金利が少し高くなるのが普通です。
融資取引の場合、ファクタリングと違って「返済」という手順が入るため、そのリスクに金融機関側が備える必要があります。
そのため金利を高めに設定することが多く、融資を受ける側としては負担になります。
ファクタリングは債権の譲渡取引ですから返済という概念がないので手数料が増える傾向にはならず、先に見たように逆に安くなります。

②データが無いと利用できない

オンライン取引ではデータを基にした審査がなされるので、データが無いと審査が受けられません。
設立当初など十分なデータがない状況では利用できないこともあります。

ファクタリングではすでにオンライン取引が主流に

ファクタリングではすでにオンライン取引が主流に

銀行などの金融機関は比較的腰が重く、オンライン取引を導入していたとしても中途半端な機能提供にとどまるところもあるようです。
その点ファクタリング業界は銀行よりもフットワークが軽いので、多くの事業者が率先してオンライン取引を導入しています。
もしオンライン取引ができない業者がいたとしたら、最新の情勢についていけていないということになるので利用は控えた方が良いかもしれません。
弊社では早くからオンライン取引を導入しており、スピードと安全を兼ね備えた「クラウドサイン」を用いた電子取引が可能です。
ご相談から取引完了まで完全オンラインで完結しますので、資金調達をお考えの際にはぜひご相談頂ければと思います。

まとめ

本章では資金調達のオンライン化がどのように進んでいるのか、メリットやデメリットと共に見てきました。
オンライン取引の導入は間違いなく進んでいますが、個別の事業者によって導入の進度はまちまちです。
資金調達を考える側としては最初から最後までオンラインで完結できるかどうかを確かめる必要があるので、その点に留意してください。
完全オンライン取引は本当に便利ですので、ぜひ一度体験して頂きたいと思います。
弊社では初めてご利用の方には電話で丁寧に説明を差し上げておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。